文化財紹介
▶ 神宮寺感應院所蔵の寺宝・文化財一覧表
木造十一面観音立像
平安時代(重要文化財)
聖徳太子の作と伝えられ、地元では古くより「母木(おものぎ)観音」の名で親しまれてきました。
体躯の中心部を、頭部から足元まで1本の用材から彫出した、いわゆる一木造で、頭に頂上仏面、その下に阿弥陀仏の化仏、周囲に10面の化仏をいただき、左手に水瓶を持ち、右手は下げています。ただし化仏と持物は後補です。
体の中心部分に浅く彫られた衣文の線や体躯の表現には平安時代後期の特色があらわれていますが、力強く表わされた眉や口元の線には古調が認められる等の特色から、12世紀初頭の作品と考えられています。
明治45年(1912)旧「国宝保存法」によって国宝に指定され、現在は「文化財保護法」によって重要文化財に指定されています。
絹本著色不動明王図
平安時代(府指定有形文化財)
古くから神宮寺感應院の本尊として、儀式が行われる時には正面に掛けて使用する大幅です。そのため画面中央から上は剥落がはげしく、図様が判り難くなっています。中央に火炎を背負い、右手に三鈷柄の剣を膝上で構え、左手を曲げ、掌を上にして羂索を取る姿が表現されています。正面右手には横を向く衿羯羅童子、左手に制多迦童子が描かれています。
本図には墨書のある軸木が付属しています。それによると、「当初、長福寺護摩堂の本尊であったものが、南北朝末の建徳2年(1371)に感應院に奉納され、戦国時代の永正17年(1520)に誉田・南蔵院に預けられたが、今は感應院に戻っている」という当時の状況が記されています。
なお、この墨書は、「感應院」の名が見えるもっとも古い史料として貴重です。
絹本著色十一面観音立来迎図(厨子入)
室町時代(市指定有形文化財)
頭上に頂上仏面、十面の化仏、阿弥陀如来の化仏をいただき、左手に宝瓶に載せた蓮華を持ち、右手は数珠をつけて下に向け、衆生の願いに応える与願の印相を表しています。足元は踏割の蓮台に乗り、周りに雲が描かれ、来迎図であることを示しています。さらに頭部には円頭光と十一本の光芒を持ち、上部の雲上には日輪を表現して春日大社四神中の比売神を表わし、本図が本地仏であることを物語っています。
画面の随所に横方向の折り筋が認められ、もとは軸装であったと考えられます。この来迎図が厨子に納められたのは、台座形木組の裏面に記されている墨書の内容から、江戸時代の元文年間(1736〜41)であり、このころ現在の姿に改造されたものと考えられています。
絹本著色釈迦十六善神図
室町時代(市指定有形文化財)
釈迦十六善神図は除災や雨乞い等の祈願のため、大般若経(正式には大般若波羅蜜多経)全六百巻を転読する際の本尊として用いられ、中世・近世を通じてさかんに制作・使用されました。
構図としては、画面中央の上部に釈迦如来坐像を大きく描き、その下方に文殊菩薩坐像と普賢菩薩立像、次に常啼菩薩と法通菩薩、画面最下段の両脇には玄奘三蔵の肖像と深沙大将立像をそれぞれ左右に表わし、釈迦三尊の両側から左右にかけては、16種、16体の夜叉善神を8体ずつ対照的に配置しています。中国、宋・元時代の絵画に源流があり、本図は室町時代に制作された作品と考えられています。
絹本墨書釈迦十六善神図裏書
江戸時代(市指定有形文化財)
釈迦如来十六善神図には裏書があります。近年の補修で表面の画像と墨書のある部分を剥がし、二軸に仕立てられています。墨書の下地に模様のように見えるのは表面の画像部分が写っているためです。
この軸には「慈雲」の字が見え、近世の河内にあって仏教の復興のための活躍した慈雲尊者とつながりのあることがわかります。この裏書によって釈迦十六善神図は、寛政戊午の歳すなわち寛政10年(1798)の中秋に再開眼の行事の行われたことがわかります。導師として迎えたのが慈雲飲光、没年から逆算すると、このとき81歳、文化元年(1804)に没する6年前のできごとでした。
金剛四橛 (こんごうしけつ)
鎌倉時代(府指定有形文化財)
大壇の四隅に立ててその内側が結界であることを示す密教法具。
金剛製でありながら細工の細かさは鎌倉時代の貴重な作とされています。
 
神宮寺感應院所蔵の寺宝・文化財一覧表
  名     称 種別 用材 年代 指定
1 十一面観音立像 ★ 彫刻 木造 平安 国指定・重要文化財
2 不動明王坐像 彫刻 木造 室町  
3 不動明王立像 彫刻 木造 江戸  
4 釈迦如来立像 彫刻 金銅 江戸  
5 阿弥陀仏来像 彫刻 木造 江戸  
6 文殊菩薩立像 彫刻 木造 江戸  
7 地蔵菩薩立像 彫刻 木造 江戸  
8 地蔵菩薩坐像 彫刻 木造 江戸  
9 愛染明王坐像 彫刻 木造 江戸  
10 歓喜天像 彫刻 木造 江戸  
11 九曜星像 彫刻 木造 江戸  
12 弘法大師坐像 彫刻 木造 江戸  
13 聖徳太師立像(雅児太子) 彫刻 木造 江戸  
14 不動明王図 ★ 絵画 絹本著色 平安 府指定・有形文化財
15 十一面観音来迎図 ★ 絵画 絹本著色 室町 市指定・有形文化財
16 愛染曼荼羅図 絵画 絹本著色 室町  
17 釈迦十六善神図 ★ 絵画 絹本著色 室町 市指定・有形文化財
18 八相涅槃図 絵画 絹本著色 江戸  
19 文殊菩薩図 絵画 絹本著色 江戸  
20 両界曼荼羅図 絵画 絹本著色 江戸  
21 金剛四橛(大壇所用) ★ 工芸 金銅 鎌倉 府指定・有形文化財
22 宝珠(旧本堂・新本堂所用) 工芸 金銅 江戸  
23 半鐘 工芸 江戸  
24 不動明王図軸木 書跡 木造 江戸  
25 釈迦十六善神図裏書(慈雲尊者他書) ★ 書跡 絹本 江戸 市指定・有形文化財
26 大般若経 典籍 紙本 江戸  
27 旧本堂壁紙文書 古文書 紙本 江戸  
★印=寺宝説明へのリンク有り
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